寒いってばよ
携帯の日記でも書きましたが、やっぱり本当の主人公といいますか、描きたかったのはサクヤではなくサクラだったんだな、と感じました。
それまでチヒロの回想にしか出てこなかったので、サクラというキャラクターがどういった感じなのかわからなかったけど、いやはや、印象変わったわ。
サクラとサクヤ、一見するとサクヤの方がはるかに大変そうだけど、実は似てるよなぁって。サクラには「他人」に味方がいなくて、サクヤには「身内」に味方がいない。
こういう時いっつも思い出すのが、今日子さん(フルバ)の花ちゃんにいった「どれだけ家族に愛されても、他人を求めてしまうもの」って言葉なわけですが。
うつむいている人間同士だと、共感しあえても前を向いていくことはなかなか難しいのではないでしょうか。って、サクラ親子を見ていて思いました。
サクヤも、奏という存在は大きなものだけど、再び笑えるようになったのはまったく違う世界にいるユーリのおかげによるものが大きいですし。
サクラとサクヤ。
なんだか共感できる部分も多くて、まさに高屋さんだからこそ描ける物語でキャラ達だったと思います。
最近多い、超人的なヒロインではなく、むしろ逆の、人よりもずっと劣っているという言い方はあれですが、そういうヒロインたちだからこそ、よくある最終回もとってつけたものではなく、余韻のあるものになってるんじゃないかな。
世の中強い人間ばかりじゃない。最終巻の奏さんの言葉はどれもこれも深いと思います。まさに高屋さんが言いたかったことを言っているんじゃないかなというくらい。
重いだけじゃない。でもすべてがきれいに終わるわけじゃない。
でも、暖かい気持ちになれる、まさに高屋ワールド全開な最終巻でした。
最初は正直色々首をひねっていましたが、何度も読み返してるうちに、ああ、良かったなぁ、と今は素直に思います。
すべてがうまくいかないんですよね。そこが高屋作品のいいところだと思います。
どんなに頑張ったって、世の中どうにもならないことはいくらでもあるんです。特に人間関係、とりわけ身内は、本当に修復なんてほぼ不可能なんです。
憶測ですが、サクヤもサクラもチヒロも、最後まで親とわかりあえる日はこないと思います。そしてそれはこれからも、時々、暗い影を落としていくでしょう。
でもそんなとき、星の歌を聞いたら、きっとまた歩き出せる。
そんな希望を持てる、ただ暗いだけじゃない、小さな光をくれる、そんな作品でした。
個人的に、ユーリとサクラがくっついたらいいなーとか思ったり(笑
サクラにはユーリがあってると思うけどなぁ…!
改めて、連載お疲れ様でした。
次回作も期待しております。
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